【地域】JR京葉線&総武快速線の“ナゾの終着駅”「上総一ノ宮」には何がある?――2020東京五輪で注目のワケ

何事も、良し悪しは表裏一体である。それはもちろん鉄道にも当てはまる。どこまでもつながった線路の上を走って、遠い街まで連れて行ってくれるのは実にありがたい。
けれど、それは裏を返せばうっかり寝過ごすと目覚めたときにまったく知らない土地に連れて行かれてしまうということでもある。
飛行機ならば寝ている間に目的地を越えて遠くまで飛んでいくことはないから、“見知らぬ土地へ連れて行く”というのは鉄道ならではの欠点なのである。

京葉線総武快速線でよく見る「上総一ノ宮」はどこにある?

……というわけで、今回もそんな見知らぬ終着駅を訪れた。目的地の駅の名は上総一ノ宮である。
JR京葉線や横須賀・総武快速線の一部が終着としている駅だ。
どちらかというと京葉線のほうが上総一ノ宮行が多いので帰宅時間帯の寝過ごしも危険だが、例えば朝の8時44分に東京駅に着く横須賀線総武快速線に直通して終点は上総一ノ宮。
つまり朝の通勤電車、金縛りにでもあって途中で降りることができずに乗りっぱなしになったら、上総一ノ宮に連れて行かれてしまうというわけだ。いやはや、なんとも恐ろしい。

では、そんなげに恐ろしき上総一ノ宮駅はどこにあるのか。
地図を開いて探してみると、東京からはるか東、房総半島をズバッと横断して九十九里浜にほど近い場所。
京葉線の駅でも総武本線の駅でもなく、外房線の駅だ。つまり、京葉線総武快速線も、蘇我駅から外房線に直通して上総一ノ宮駅を目指すことになる。今回は、昼時の京葉線で上総一ノ宮に向かった。

舞浜駅で半分の客が降りていく……

京葉線のスタートは、ご存知東京駅の遠い遠い地下ホーム。始発駅なので座ることができた。
少しずつ乗客が増えてきて、新木場駅を出たあたりでは立っている人もたくさんいるくらいの混雑ぶり。
そしてその半分くらいが舞浜駅で降りていった。12月の平日だと言うのに、例のテーマパークはなかなか盛況のようだ。
そこから先は少しずつ乗客が減っていく。外房線に直通する蘇我駅ではもうすっかり車内はガラガラである。
東京駅から通して終点の上総一ノ宮駅まで乗ろうとする酔狂な客は、筆者くらいしかいないのであろう。
車窓には高い建物などほとんどなく、真っ青な快晴の空が大きく見える。

東京から1時間30分、上総一ノ宮には何がある?

こうしてすっかり車内はがらんどうになって、東京駅から約1時間30分。
目的の上総一ノ宮駅に到着した。列車が着いたホームは島式の2番のりば。
そこから古びた木造の跨線橋を渡って駅舎のある3番のりばへと向かう。
これまで訪れてきた終着駅はたいてい何もなく、駅舎も興味をひくようなものではなかったので、この跨線橋がいかにも古そうな設えというだけで少し期待してしまう。

上総一ノ宮駅の駅舎は、そんな期待にたがわず立派な駅であった。
白い壁と褐色の屋根瓦は房総の青空によく映えて、黄色いレンガのようなもので装飾されている正面の出入り口や車寄せの柱からは他の駅とは一味違う、プライドのようなものが伝わってくる。
周囲の建物と比べても背が高く、まさに堂々とした佇まいの駅なのだ。調べてみると、この誇り高き駅舎ができたのは1939年のことだとか。
房総半島には古い木造駅舎が多く残っているが、そうした中でもひときわ古く、ひときわ立派な駅舎であろう。

そして駅の目の前には地域色の強い飲食店や土産物店にタクシー会社。
すこし歩けば一宮町観光協会などもあった。そしてさらに先に一宮の中心市街地が広がっている。

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20191216-00019403-bunshun-soci&p=2
12/16(月) 6:00配信

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